「ハッ。ハッ。ハアア! ハッ」
演習場の林にくノ一の声が響く。
そこにはヒナタが一人、いつものように柔拳の修業をしていた。その動きは少しばかりぎこちないのだが、まさに舞を舞う美しき舞姫そのものだ。
夏の日差しが照り付けるなか、ヒナタはまだ戻らぬ憧れに一歩でも近付きたい一心で、両の腕を交互に、時に同時に振るう。
傍にある大木の陰に隠れ、大枝に悠然と座り見守られていることも、つゆ知らず。
「お~い!」
遠くから男の声が木魂する。
首を捻り視線をずらせば、呼んだであろう場所に手を振るキバと傍に佇むシノと赤丸が目に入った。
「紅先生が呼んでんぜ、ヒナター。行くぞー」
「あっ、うん。待って!!」
自身の上司の名に、ヒナタは忙しなく男達の下へ駆け出す。
彼ら二人の表情からして、どうやら急ぎの任務のようだ。その証拠に、キバは痺れを切らし待ち切れないという風体だ。
ヒナタの応答にシノがそっと口を開く。
「急いだ方がいい。なぜなら…、火影様を怒らせれば、任務どころではなくなるからだ…」
「ホラ、遅れんぞ」
「ご…、ごめん。キバ君、シノ君」
進行方向に体を向けながらも、気遣いで後ろに首を向けたままの二人と一匹に、ヒナタは謝罪の言葉をかけながら急ぎ足で駆け寄っていく。
しかし、何か思い残したのか、我先にと歩いていく者達に気付かれぬよう立ち止まり、そっと自分が居た場所を振り返る。
無論そこには誰も居ないはずなのだが、ヒナタは、ふっ、と子供の頃から変わらぬ愛らしい微笑みを向けた。
「――ありがとう、ネジ兄さん」
なんだ? と不思議そうに振り返るキバに、ヒナタは口元に手を添え、何でもない、と微笑みながら男達の後を追っていった。
「………」
一方、枝に座り陰に隠れていた白装束の男は、対象人物のまさかの反応に、終始戸惑いと気恥ずかしさに揺れていた。その証拠に、普段は表情を変えることの無い彼の顔には、ほんの少し赤みが差してしまっている。
(――バレてたか…)
結構(れんさんの)原作マンガに
忠実に執筆させて頂きました。(笑)
れんさんのご期待に答えられる作品かどうか、正直不安になりつつも、
載せさせて頂きます。( ^^) _旦~~
れんさん、ありがとうございました!ヽ(^o^)丿
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