唐突ながら、私が過去に応募した作品を、もうだいぶ経ってるので載せようかと思います。
総計原稿用紙20枚分ですが、少々長いため、小分けにして載せます。
長編小説をお待ちの方々、すみません…。(-_-;)
[0回]
二〇一〇年 八月十五日
わたしは、死んだ。
というより、なぜかここにいた。
どこにいるのかって?
分からない。けど、電柱のてっぺんに座っているのは確か。
にぶい痛みが全身に伝わり、頭がぐらぐらして、気が付いたらこんな高い所にいた。
そういえば、名を名乗らなければいけないわね。
わたしは、瀬田川幽菜。
東京の目立たない市立高校に通う十七歳の高校二年生、てところかしら。
わたしは、そっと右腕をさすった。
まだ、痛みという感触が、にぶくまとわりついている。
ふと、足下(あしもと)の道路を目だけで見下した。
交差点の周りにはたくさんの人集(ひとだか)り、中央には来たばかりの救急車と、蜘蛛の巣のようにガラスがひび割れた乗用車、そして、血まみれのセーラー姿の身体一つ。
あれは、当然わたしだ。
あの長い髪、制服、革靴。
間違いなくそうだわ。
当分、あの身体には戻れないわね。
死んだんだもの。
担架に乗せられたわたしの身体は、易々(やすやす)と救急車に積み込まれ、運ばれていった。
そんなことしても無駄よ。手遅れだもの。
さて、これからどうしよう。
のこのこと成仏するわけにはいかないし、そこらをまわるとしましょ。
わたしは、電柱の上ですっくと立ち、自殺するかのように飛び下りた。
死にはしないけど。
そして、着陸したのち、大人の頭の上ほどの高さでふよふよと飛んでいった。
飛ぶというのはなんて気持ちのいいことだろう。
子供のころから、鳥のように飛んでみたいと思っていたけど、まさか死んでから叶うなんて。
まあいいわ、気の済むまでウロウロしてましょ。
とにかく成仏したくないのよ。
わたしは、渋谷の町をふらふらと歩き回っていった。
というより、飛び回ったというのが正解かしらね。
高層のビルが立ち並ぶ通りには人と車の通りが多かった。
当たり前でしょうね。夏休みという時期だもの。買い物やら旅行やらに行く人は多いでしょうね。
なのにどうして学校になんて来てしまったんだろう。
なんの用もないのに制服を着て、学校に出かけたりしたんだろう。
理由はともあれ、わたしは幼いころから目的なしに歩き回るのが好きだった。
その趣味と消極的な性格、暗い面持ちから『幽霊女』と呼ばれ、誰も近寄ったり、友達にしようとはしなかった。
まあ、自分も友達なんて作る気はさらさらなかった。人付き合いをするのが面倒極まりなかったもの。
ただ一人、信頼できる母を除いては。
ふと、顔を上げてみると、目の前にショーウィンドーを興味津々に見ている少女(こ)が目に止まった。
流行の夏服を十分に着こなしたあの少女(こ)は、だいたい同い年くらいかしら。
あんな子は見たことがない。
でも、どうせわたしが見えないでしょ。
わたしは見て見ぬふりをして先を進もうとした。
その時、ショーウィンドーを眺めて満足したらしく、その少女(こ)がわたしの方に振り向いて進もうとした。だが、何かに驚いたかのように、その場で足を止めた。
その子の視線は、——わたしに向けられていた。
通りすがりの人々も、そのほうに目を向けたが視線を戻した。
まさか、わたしが、見えて、る?
わたしとその子は、しばらくの間、見つめ合ったまま動かなかった。
そして、沈黙を破るように、その少女(こ)は口を開いた。
「あなた、幽…霊?」
やっぱり、この子はわたしが見えるんだ。
だったら、普通に話しかけてもつまらないわね。
ちょっと脅かしてみようかしら。
「——そうよ。わたしは、人を呪うために生まれた幽霊。ちょうどいいわね、今からあなたを呪って地獄の底まで引きずり込んであげようかしら?」
わたしは、いかにも怨霊のように少し声を低めて言った。
さあどうよ。幽霊の恐ろしさが分かったかしら。
「……ふっ、ふふふふっ、ハハハハハハハハ、アハハハハハハハッ」
な、何。いきなり笑い出して。
わたしの演技がそんなにおかしいっていうの?
「ハハハハハハ。そんな、冗談やめてよ。だいいちあたしを呪う気全然ないんでしょ? ハハハハハハッ」
うっ。図星だわ。
「そだ! ねぇ、あたしと友達になんない?」
「…え?」
「ふふっ、と・も・だ・ち! あたし、矢崎和美。あなたは?」
「えっ、…瀬田川、幽菜」
「幽菜。いい名前じゃん! ね、いいでしょ? 友達になろうよ。ね?」
「ん〰〰〰〰」
どうやら、わたしはとんでもない子を相手にしてしまったようだわ。
「ま、まあ。少しの間、なら…」
「じゃ決まり! あたしと幽菜は今日から友達、ね! さ、行こ。幽菜!」
「あっ、ちょっ…。ああもう」
なんて変な子なの。出会ってすぐ友達になれだなんて。しかも自分にしか見えてないっていうの分かってるの?
なのに、なんなの、この気持ち…。
そんなことを考えながら、わたしは和美という少女(こ)に付いて行った。
To be continued…
これは高1のころ、夏休みの課題で提出して応募したものです。(一部誤字訂正箇所有り)
改めて見ると、ちょっ…!ww ヘタクソ…!ww
(原稿用紙で見ると見やすいけど)ムダに改行多い…! PCにあげると読みぬくい!!
一発書きのせいか、ストーリーがちょいデタラメっぽい…!
今じゃもう笑いとツッコミの種ですが、あげてみるのも楽しいかなと…。(;^ω^)
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